被災マンション法は、正式名称を「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」といい、政令によって指定された災害によって建物が全部滅失したマンションや、大規模一部滅失(価格の2分の1を超える滅失)したマンションについて特例を定めた法律です。阪神・淡路大震災後の1995年に制定され、東日本大震災後、2013年に改正されました。
全部滅失した場合
マンションが全部滅失した場合、区分所有建物がなくなるため、区分所有法の適用を受けられません。
敷地の共有関係について、民法に基づくこととなり、敷地共有者全員の合意がなければ、マンションの再建や敷地の売却ができなくなります。
しかし、被災マンション法の適用を受けることによって、敷地共有者の5分の4以上の合意でマンションの再建や敷地の売却が可能になりました。
政令による指定後、集会による決議まで:3年
一部滅失した場合
マンションが一部滅失した場合は、区分所有法によって、管理組合集会での意思決定が可能ですが、区分所有法では復旧と建替えに関する規定しかありません。
被災マンション法の適用を受けることによって、復旧や建替え決議以外に、5分の4以上の合意でマンションと敷地を一括で売却することや、建物を取り壊しての敷地売却、建物を取り壊すこと(取り壊し後は、全部滅失の場合と同様に敷地共有者にて決定します。)が可能になりました。
政令による指定後、集会による決議まで:1年
被災マンション法の改正
兵庫県南部地震から16年後の2011年、東日本大震災が発生し、仙台市内のマンションが大きな被害を受けることとなりました。兵庫県南部地震の際は、「再建」や「建替え」のニーズが大きかったのですが、東日本大震災の被災マンションでは、建替えではなく、「売却」のニーズが発生しました。「お金をかけて建替えるよりも、公費で建物を解体したうえで土地を売却する方が良い」と判断したのです。
そこで、2013年の改正において、滅失したマンションについて、再建以外に「売却」の選択肢が加わりました。
また、滅失したマンションだけでなく、大規模一部滅失したマンションについても「建物敷地売却」、「建物取壊し敷地売却」および「建物取壊し」についての決議も新設されました。ちなみに、建物取壊し決議をしたマンションについては、その後は滅失したマンションについての規定が適用されます。
そのほか、従来の被災マンション法には、団地の一部もしくは全部が滅失したときの規定がなかったので、これらの場合について対応する規定も設けられています。
https://www.ah-hp.com/file.jsp?id=391457
https://www.kanrikyo.or.jp/4season/articles/special/07/page_5.php
