管理費・修繕積立金・使用料

管理費・修繕積立金・使用料
目次

管理費とは?修繕積立金とは?

管理費とは?修繕積立金とは?

マンションの会計は管理費会計と修繕積立金会計に分かれています。

管理費とは
マンションの日常的な管理に充てる為、定期的に行われる点検や清掃等、軽微(1~2万円程度)の修理費用等のために徴収する金額です。

管理委託料・水道料・電気料・保険料・排水管清掃・理事会飲み物代、などが計上されているな。

修繕積立金とは
管理費の項目に該当しない一般的な工事費用、10~15年程度に1度実施される、大規模修繕工事のために徴収する金額です。

今期は外階段手摺設置工事、給水ポンプ部品交換工事、が計上されているわ。

標準管理規約の記載を見てみよう

管理費・修繕積立金・使用料について標準管理規約では以下のように定められています。(2026年現在)

標準管理規約 第25条(管理費等)

区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
 一 管理費
 二 修繕積立金
2 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

標準管理規約 第27条(管理費)

管理費は、次の号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
 一 管理員人件費
 二 公租公課
 三 共用設備の保守維持費及び運転費
 四 備品費、通信費その他の事務費
 五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
 六 経常的な補修費
 七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
 八 委託業務費
 九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
 十 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用
 十一 管理組合の運営に要する費用
 十二 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)

第32条は「業務」という条文だよ。
第1項は、管理組合が管理する敷地及び共用部分等の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理。第2項は 組合管理部分の修繕・・15項まであるよ。

第28条(修繕積立金)

管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一  一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二  不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三  敷地及び共用部分等の改良又は変更
四  建物の建替え、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却又は取壊し(以下「マンション再生等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
五 修繕積立金の管理及び運用
六 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
(2~4項略)

第29条(使用料)

駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。

管理費会計の剰余金は修繕積立金に繰り入れられるか?

管理費の会計に余剰があったときは、翌年度の管理費に繰り入れられます。

標準管理規約第61条(管理費等の過不足)

収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。
2  管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。

マンション標準管理規約は管理費と修繕積立金を厳格に分けています。もし管理費を修繕積立金に繰り入れる場合は、管理規約を変更しなければなりません。

自身のマンションの管理規約を確認してみましょう。「管理費に余剰が生じた場合は、総会決議により修繕積立金に充当できる」といった内容であれば、管理費を修繕積立金に繰り入れても問題はありません。
もし標準管理規約と同様の記載になっていれば、修繕積立金に充当できる旨、管理規約を変更したほうがよいでしょう。

一方、修繕積立金を管理費会計に繰り入れるのは不可と考えられています。修繕積立金は、将来の修繕費用を積み立てており、余剰金となるか判断できません。管理費会計が不足気味であれば管理費の値上げを検討しましょう。

参考 マンション管理業協会Q&A
「管理費会計の余剰金を総会決議により修繕積立金会計に繰入れすることはできますか。」

管理費・修繕積立金の改定は普通決議か特別決議か

管理費・修繕積立金の改定が普通決議か特別決議かは規約の定めによります。
修繕積立金の額の変更に関する特段の定めがなければ、その改定は普通決議で実施可能です。
ただし、規約に修繕積立金の具体的な金額が記載されているような場合は、規約変更に該当し特別決議が必要となります。
例えば、規約本文で「管理費等の額は別表第○に記載の額とすること」等とし、規約の別表に住戸タイプ別の修繕積立金額が記載されている場合は特別決議が必要になります。

標準管理規約では普通決議で変更が可能だよ。

参考 マンション管理業協会Q&A
「修繕積立金を改定することになりました。この場合、総会の普通決議で改定してもよいですか。」

管理費と修繕積立金の相場は?

管理費の相場

令和5年度マンション総合調査によると、管理費の全体平均は 17,103円 となっており、「10,000円〜20,000円」が全体の半数以上(52.0%)を占めています。

マンション総合調査 修繕積立金の相

完成年次別の傾向:築年数が浅い(完成年次が新しい)物件ほど管理費が高くなる明確な右肩上がりの傾向が見られます。昭和期の物件では平均1.1万〜1.2万円台であるのに対し、平成16年以降は平均2万円前後、令和2年以降では 21,233円 まで上昇しています。

総戸数規模別の傾向:小規模マンション(20戸以下)の平均は 22,131円 と最も高くなっています。規模が大きくなるにつれてスケールメリットにより平均額は下がりますが(151〜200戸で最安の13,932円)、501戸以上の超大規模になると 21,513円 と再び上昇する傾向があります。

お次は㎡単価について見てみよう。

同じく令和5年度マンション総合調査によると、使用料等を含めた管理費の㎡単価の全体平均は 230.1円/㎡ です(ファミリータイプ70㎡換算で月額約16,100円)。「200円〜300円(29.8%)」が最も多く、「150円〜200円(16.7%)」を合わせると、150円〜300円/㎡ が全体の約半数(46.5%)を占めています。

マンション総合調査 管理費の相場(㎡単価)
調査結果:27③ 管理費総収入/月/平米当たり(使用料・専用使用料からの充当額含む)(その1)

完成年次別の傾向:築年数が浅い(新しい)物件ほど単価が高くなる傾向が非常に顕著です。昭和49年〜昭和59年築では 180円〜190円台/㎡ であるのに対し、平成12年以降は230円を超え、令和2年以降の築浅物件では 281.0円/㎡ まで高騰しています。

総戸数規模別の傾向:小規模マンション(30戸以下)の平均が 239円〜244円台/㎡ と高く、戸数増加に伴いスケールメリットが働いて151〜200戸クラスで 199.9円/㎡(最安)まで低下します。しかし、501戸以上の超大規模では 257.4円/㎡ と最高値まで上昇するV字傾向が見られます。

修繕積立金の相場

令和5年度マンション総合調査によると、全体平均は 13,378円 です。「15,000円〜20,000円(35.7%)」が最も多く、「20,000円〜30,000円(18.2%)」や「10,000円〜15,000円(15.2%)」を合わせると、全体の約7割を占めます。

マンション総合調査 修繕積立金の相場
調査結果:28⑥(4) 現在の修繕積立金総収入/月/戸当たり(使用料・専用使用料からの充当額含む)(その1)

完成年次別の傾向:築浅物件ほど低く、築年数が経過した物件ほど高くなる傾向が明確です。令和2年以降の築浅では平均 10,266円(10,000円未満が約53%)であるのに対し、平成12年〜16年築の物件では 15,505円 まで上昇しています。

総戸数規模別の傾向:小規模マンション(20戸以下)の平均が 16,023円 と最も高額です。規模が大きくなるにつれてコスト分散が働き、500戸以下のゾーンでは 12,200円〜13,000円台 で安定推移しますが、501戸以上の超大規模では 14,686円 と再び上昇する傾向が見られます。

お次は㎡単価をみてみよう。

同じく令和5年度マンション総合調査によると、㎡単価の全体平均は 186.5円/㎡ です。「150円〜200円(22.3%)」が最も多く、「200円〜300円(19.6%)」・「100円〜150円(20.8%)」を合わせて、全体の約6割(62.7%)を占めます。

マンション総合調査 修繕積立金の相場(㎡単価)

完成年次別の傾向:令和2年以降の築浅物件は平均 130.3円/㎡(100円〜150円以下が約56.4%)と最も抑えられ、築年数が経つにつれて増額が進みます。

総戸数規模別の傾向:小規模マンション(30戸以下)の平均が 217円〜221円台/㎡ と高水準です。規模が大きくなるにつれてコストの分散効果が働き、51〜200戸クラスでは 166円〜176円台/㎡ まで落ち着きますが、201戸以上では再び 180円〜200円前後/㎡ へ上昇する傾向が見られます。

うちのマンションは修繕積立金が足りておらん。
大規模修繕工事の時には借り入れもして借金返済中じゃ。

現状の平均と必要な金額は別の話だね。
次の項目では必要な金額の方を見てみよう。

必要な修繕積立金の目安

自分たちのマンションの積立額が適正かどうかを判断する基準となるのが、国土交通省が公表している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」です。
ガイドラインでは、過去の長期修繕計画のデータに基づき、「均等積立方式(将来必要な修繕費用を平準化して積み立てる方式)」に換算した場合の専有面積1㎡あたりの月額目安を示しています。

マンションの修繕積立金に関するガイドラインによる平均額の目安
計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安(機械式駐車場分を除く)

機械式駐車場がある場合は「機械式駐車場がある場合の加算額」を加える必要があります。

機械式駐車場の1台当たり月額の修繕工事費

機械式駐車場がある場合の加算額= 機械式駐車場の1台あたり月額の修繕工事費(下表)×台数
÷マンションの総専有床面積(㎡)

修繕積立金は新築時には激安に設定されていることが多いよ。
急激な値上げにならないよう早い時期に改定に取り組もう。

使用料・専用使用料とは?使い道や管理費・修繕積立金との関係

マンションの会計項目に出てくる「駐車場使用料」「ルーフバルコニー使用料」「専用庭使用料」などの「使用料」。
「毎月払っているけれど、これは管理費と何が違うの?」「集まったお金は何に使われているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ここでは使用料・専用使用料について解説します。

「使用料・専用使用料」の主な種類

使用料・専用使用料は特定の区分所有者が共用部分を独占的・優先的に使用する権利(専用使用権)に対して支払う費用です。全員一律ではなく、利用している人だけが払うという点が管理費や修繕積立金との違いです。

主な種類
  • 駐車場使用料
  • 駐輪場・バイク置場使用料
  • ルーフバルコニー・専用庭使用料
  • トランクルーム使用料

集めた「使用料」は何に使う?会計上の重要なルール

集めた使用料を「管理費会計」と「修繕積立金会計」のどちらに入れる(充当する)かは、管理組合にとって非常に大きなテーマです。国土交通省が定める標準管理規約では、「駐車場使用料などは、それらの管理に要する費用を除き、修繕積立金として積み立てる」ことが原則(推奨)とされています。
特に機械式駐車場などは、将来的に数千万円規模の大規模修繕・機器更新費用がかかるためです。

【実例】使用料充当の落とし穴とチェックポイント

「うちのマンションは管理費が安いから安心」と思っている方は注意が必要です。
新築時などに「駐車場使用料を全額管理費に入れることで、見かけ上の管理費を安く抑えている」マンションが多く見られます。若者の車離れや高齢化で駐車場に空きが出ると、「入るはずだった使用料が入らなくなり、管理費会計が即座に赤字化する」というトラブルが全国で相次いでいます。

「使用料」は単なるオプション料金ではなく、将来の修繕計画や日々の管理会計を支える重要なお金です。原則として「将来の修繕費用(修繕積立金)」に充てるのが安全です。

管理費の補填に使っている場合は、空き区画リスクに注意しましょう。

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