マンション管理標準指針(管理規約・管理組合の経理)
管理規約の内容
標準的な対応
(1)~(12)の全ての項目について、標準管理規約と同趣旨の規定が置かれ、かつ(9)~(12)については、使用細則等によりルールを定めている。
※参考・コメントは省略しています。
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管理規約の内容(1)管理組合の業務
管理規約の内容(2)総会決議事項
管理規約の内容(3)管理費と修繕積立金の区分整理
管理規約の内容(4)修繕積立金の使途範囲
管理規約の内容(5)管理費と修繕積立金に関する納入義務・分割請求禁止
標準的な対応
標準管理規約と同趣旨の規定が置かれている。
参考
区分所有法第19条(共用部分の負担及び利益収取)
標準管理規約第25条(管理費等)60条(管理費等の徴収)第5項
第61条(管理費等の過不足)
※コメントは省略しています。
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管理規約の内容(6)専有部分と共用部分の区別
管理規約の内容(7)敷地及び共用部分の管理
管理規約の内容(8)義務違反者に対する措置及び違反行為に対する勧告・指示等
管理規約の内容(9)ペット飼育
管理規約の内容(10)駐車場の使用
管理規約の内容(11)専有部分修繕
管理規約の内容(12)共用施設の使用
管理規約の周知
標準的な対応
管理規約の改正時に各区分所有者及び占有者に配布している。
コメント(抜粋)
- 管理規約は、最高自治規範であることから、区分所有者全員が内容を十分に把握することが必要であり、閲覧はもとより、その写しを区分所有者全員に配布すべきです。また、総合調査でも約8割の管理組合が各戸配布をしているとの結果となっています。さらに、マンションの使用方法につき、占有者も管理規約に基づき義務を負うことから、占有者への配布も併せて、これを「標準的な対応」としました。
参考
・標準管理規約第72条(規約原本等)第3項
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管理規約の保管・閲覧
管理規約の見直し
標準的な対応
関係する法令の改正があった場合、管理規約の見直しを実施している。
望ましい対応
居住者の構成等の変化があった場合、管理規約の見直しを実施している。
※コメントは省略しています。
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区分経理
標準的な対応
管理費会計と修繕積立金会計に区分している。
望ましい対応
機械式駐車場等で維持管理に多額の費用を要する施設を有する場合は、駐車場使用料会計等を管理費会計及び修繕積立金会計とは区分している。
コメント(抜粋)
- マンションの資産価値を適正に維持するためには、清掃等の日常的な管理とともに外壁補修や屋上防水などの大規模な修繕工事を一定期間ごとに行うことが必要です。こうした大規模修繕工事には多額の経費を要することから、長期修繕計画に基づいて算出された額を、毎月、「修繕積立金」として計画的に積み立てることが必要となります。
参考
・
標準管理規約第28条4項、29条コメント
・【平成16年調査】駐車場会計の区分経理を実施している→2.3%
・【会計調査】区分経理を実施→収支計算書95.3% 貸借対照表93.7%
※コメントは省略しています。
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予算・決算書類の作成・承認
標準的な対応
会計年度ごとに次の書類を作成し、通常総会で承認を得ている。
1.収支予算書 2.収支決算書 3.貸借対照表
コメント(抜粋)
- 管理費や修繕積立金は、区分所有者の共有財産であるマンションの共用部分の維持・管理のため各区分所有者から徴収した貴重な資金であることから、管理組合の総会の承認を得た収支予算に基づき支出されることが必要です。
なお、収支予算は標準管理規約においても総会の決議事項とされており、会計年度ごとに通常総会に提出し、その承認を得なければならないとされています。
参考
・区分所有法第43条
・標準管理規約第58条1項、59条
・【平成16年調査】貸借対照表を作成→98.4%
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会計監査
標準的な対応
収支決算案は、監事監査を経て作成している。
コメント(抜粋)
- 管理組合の業務の執行を適正化するためには、内部監査も重要です。そのため、標準管理規約では、管理組合の役員として、業務執行を担う理事の他、執行状況を監視する監事を置くこととし、監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならないこととしています。
- 平成16年度調査によれば、多くの管理組合が「公認会計士等による外部監査」を実施している状況にありません(公認会計士等による外部監査を実施:0.3%)。しかし、多額の修繕積立金を取り扱う管理組合では、外部監査を検討する必要があるでしょう。
参考
・標準管理規約第41条1項・3項、59条
・【平成16年調査】監事監査を実施→99.0%
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滞納状況の把握
標準的な対応
未収金明細書等の滞納住戸が把握できる会計書類を作成している。
コメント(抜粋)
- 管理費や修繕積立金は、マンションを適正に維持・管理するのための貴重な財源ですから、管理規約及び総会決議に基づき定められた額を確実に各区分所有者から徴収することが重要です。
なお、判例によると毎月払い等の滞納管理費等(定期給付債権)の時効は5年ですが、滞納を放置すると日々の管理はもとより、大規模修繕の実施にも悪影響が及ぶおそれがあります。
- 一方で、滞納状況を把握するための会計書類については、プライバシー侵害とならないようにその取り扱いについては注意することが必要です。例えば、決算資料として管理組合の総会で報告するにしても、滞納者名は伏せるなどの配慮が必要と考えられます。
参考
・【会計調査】未収金明細書を作成:75.3%(うち、毎月作成:70%)
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滞納処理
標準的な対応
滞納の期間が3ヶ月以内に、文書等による督促などを行っている。
望ましい対応
滞納の期間が3ヶ月を超えた場合、速やかに少額訴訟等の法的手続きの行使について検討を行い、滞納の期間が6ヶ月になる前に対応方針を決めている。
コメント(抜粋)
- 管理費や修繕積立金は、マンションを維持、管理するための財源として区分所有者が費用を負担するものです。
このような管理費等の滞納は、維持管理のための財源の不足を引き落としうるものであり、マンションの適正な管理を脅かす重大な問題です。
- 滞納者への督促方法は、文書等による督促などから、理事長の勧告及び指示さらに法的措置へと、3ヶ月程度が切り換えの目安になるでしょう。こうしたことから、滞納を確認後速やかに回収に着手し、滞納期間3ヶ月以内に法的措置を除く手続きを一通り行うことが必要であり、「滞納の期間が3ヶ月以内に、文書等による督促などを行っている。」ことを「標準的な対応」としました。
- 文書による督促以外には、標準管理規約では、理事長の勧告又は指示若しくは警告や訴訟その他法的措置の追行の規定を置いています。
訴訟その他法的措置の追行としては、支払督促制度、60万円以下においては少額訴訟制度やこれらを前提とした強制執行まで様々な制度があります。
参考
・区分所有法第26条(権限)第4項
・標準管理規約第60条(管理費等の徴収)第2項~第4項・コメント
・標準管理規約第67条(理事長の勧告及び指示等)
・標準管理規約第68条(合意管轄裁判所)
- 支払督促制度
債権者(管理組合)が簡易裁判所書記官に申し立てることにより、簡易裁判所書記官が債務者(滞納者)に陳述の機会を与えることなく支払を命ずる制度で、債務者が異議の申立をすれば通常の訴訟に移行する制度です。
簡易な方法で、債権者が少ない費用で、時間をかけずに債務名義を得られる特徴があります。《出典:マンション管理の知識》
- 少額訴訟制度
訴額が60万円以下の債権に限り利用でき、原則として1回の期日で審理を終了し口頭弁論終了後、直ちに判決が言い渡される制度です。被告となる債務者がこの制度に異議を申し出ないときに審理が進められます。
原則として、簡易裁判所に訴状を提出しますが、標準管理規約第68条のように合意管轄裁判所の規定を置く場合はそれによります。
少額で、しかも複雑困難でないものについては、少ない経済負担で、迅速かつ効果的に紛争を解決できる特徴があります。《出典:マンション管理の知識》
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通帳・印鑑の保管
残高確認
帳票類の作成
標準的な対応
会計帳簿、什器備品台帳、区分所有者(組合員)名簿等を作成している。
参考
・標準管理規約第64条
※コメントは省略しています。
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帳票類の保管・閲覧
標準的な対応
区分所有者又は利害関係人の求めに応じて閲覧できる状態で保管している。
参考
・標準管理規約第64条
※コメントは省略しています。
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