
内容証明郵便を送っても何も反応がないわ。
こうなったらもう裁判所に行くしかないわね!
でもどうやって・・・?



手続きは「支払督促」「少額訴訟」「通常訴訟」の3つがあるよ。
どの手段をとるべきか?見ていこう!
法的手続きを進めるための事前準備
管理組合を代表して理事長が法的手続きをすすめることになりますが、そのためには事前に理事会もしくは総会の決議が必要になります。標準管理規約では理事会決議で可能です。
区分所有者が第六条第一項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。
2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。
4 前三項の規定は、占有者が第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為をした場合及びその行為をするおそれがある場合に準用する。
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
(以下略)
区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。
2 区分所有者は、その同居人又はその所有する専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人が前項の行為を行った場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない。
3 区分所有者等がこの規約若しくは使用細則等に違反したとき、又は区分所有者等若しくは区分所有者等以外の第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、その差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。
4 前項の訴えを提起する場合、理事長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用及び差止め等の諸費用を請求することができる。
5 前項の規定に基づき請求した弁護士費用及び差止め等の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。
6 理事長は、第3項の規定に基づき区分所有者のために原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合において、第43条第2項及び第3項の規定は、区分所有者への通知について準用する。



自分たちの管理規約に↑の定めがあれば理事会決議、
なければ総会決議が必要になるよ。確認してみてね。
法的手続きその1 支払い督促
スピーディーだが債務者住所に注意
費用が安く(滞納額30万円で5,000円前後)、相手から異議が出なければ書類審査のみ、異議が出ると通常裁判へ移行します。
支払督促は債務者の住所地を管轄する簡易裁判所へ申し立てる必要がありますので、その所有者が遠方に住んでいる場合は注意が必要です。



ぎょえー!!未収者の住所が北海道だー
手続きの流れ
第1段階
異議申し立てがなければ「仮執行宣言」の申立て
裁判所から相手方へ「支払督促」が送達され、相手が受け取ってから2週間以内に異議を出さなければ、管理組合は「仮執行宣言」の申し立てを行います。
第2段階
仮執行宣言付支払督促の送達・確定
仮執行宣言が付いた支払督促が相手に届きます。ここでも2週間以内に異議が出なければ確定し、差し押さえ(強制執行)ができる権利を取得できます。



この権利のことを「債務名義」というよ!
「異議」は「分割払いのお願い」が多いよ。
意義が申し立てられたら
相手から異議が申し立てられると、手続きは通常訴訟へ移行します。 ただし通常訴訟と言っても、管理費等の未払いという事実自体で揉めるケースは少なく、実務では「債務者(滞納者)が希望する分割払いを管理組合側が受け入れるかどうか」の確認が中心となります。
分割払いを了承する場合は別室へ移動し、司法委員を交えて「月々いくらを何回払いにするか」といった具体的な返済計画を話し合います。最終的に合意した内容は「和解調書」として作成され、これが確定判決と同じ効力を持つ債務名義となります。



支払い督促は10回ほど経験したけど、7割は異議なし。
異議ありの場合も、出廷から1~2時間程度で終了するよ。
法的手続きその2 少額訴訟
少額訴訟の3つのメリット
- 原則1回の審理で即日判決が出る
通常の裁判のように何ヶ月もかけて何度も裁判所に通う必要がなく、1回の期日(約1〜2時間程度)で審理を終え、その日のうちに判決が出ます。 - 費用が安く手軽
収入印紙代は請求額に応じて決まり(例: 30万円の請求なら印紙代3,000円+郵便切手代数千円)、数千円〜1万円程度の実費で起こせます。 - 即時に仮執行宣言が出る
判決が出ると同時に「仮執行宣言」が付くため、相手が支払わない場合はすぐに差し押さえ(強制執行)の手続きへ進むことができます。



当事者が判決送達日から2週間以内に異議を申し立てなければ、確定するけれど、その前に差し押さえ手続きができるよ。少額訴訟は反訴・控訴ができないからね。詳しくは簡裁のページを参考にしてみてね。
知っておくべきルールと制約
- 請求額の上限は60万円まで
元本(+確定済みの遅延損害金等)の合計が60万円以下である必要があります。60万円を超える滞納の場合は利用できません。 - 同一の裁判所での利用は「年10回まで」
同一人物・団体(管理組合)が同じ簡易裁判所で少額訴訟を利用できるのは年間10回までという回数制限があります。 - 複雑な証拠調べはできない
証拠は、最初の期日にすぐ調べることができるものに制限されています(未収金明細、管理規約、督促状の控えなど)。紛争の内容が複雑であったり、調べる証人が多く1回の審理で終わらないことが予想される事件は、裁判所の判断で通常の手続により審理される場合があります。 - 相手から「通常訴訟へ移行」を求められるリスク
少額訴訟を起こしても、被告(滞納者)が拒否すれば通常訴訟へ移行します。
被告は最初の弁論期日で言い分を述べる前であれば、いつでも「通常の裁判で争いたい」と求める通常移行の供述ことができます。 - 控訴ができない
少額訴訟の判決に対しては控訴(上の裁判所への不服申し立て)ができません。異議申立ては可能ですが、同じ裁判所で再度審理されるだけです。



60万円という制限・管理組合に不都合な判決が出ても控訴できない・支払督促・通常訴訟もスピーディーに終わる、といった理由で、この手続きをおすすめする管理会社は少ないみたいだよ。
法的手続きその3 通常訴訟
未収者の住所が遠方にあり、支払督促に適さない場合に有効な手段です。
なお、訴訟提起後の具体的な流れ(分割払いの話し合いや和解調書の作成等)については、支払督促の「異議を申し立てられたら」の章をご参照ください。




