マンションのテレビ・インターネット環境2


インターネットを始めるには~回線業者とプロバイダー~

電話回線などで結ばれたコンピューター同士がネットワークで結ばれ、全世界のネットワークを相互に接続したものをインターネットといいます。

プロバイダーはインターネット接続用の通信回線を提供する業者で、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)と呼びます。
電子メールやホームページなどのインターネットのサービスを利用するには、専用線や電話回線を通じてインターネットの回線に接続する必要があり、その橋渡しをしてくれるのがプロバイダーです。

プロバイダー
インターネットを利用するには、「回線業者」と「プロバイダ」両方と契約をする必要があります。この部分が素人にはわかりづらいところです。
主な回線業者、プロバイダは次の通りです。

回線業者とプロバイダ
なお、「TEPCOひかり」は東京電力が提供していたサービスですが、2006年12月に東京電力は通信事業を撤廃し、KDDIに移管され、同社提供の「ひかりone」に統一されました。更に2010年1月には、「auひかり」と名称が変更されました。

(2010.4)
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インターネット~各種の接続方法・特徴①ISDN~

ISDNとは Integrated Services Digital Network の略で、総合サービスデジタル通信と訳され、アナログ回線網、携帯電話網、PHS網などの電話網の一つです。
日本ではNTTが「INSネット64」の名称でサービスを提供しており、このISDNを使った常時接続サービスがフレッツ・ISDNです。
ISDNの通信速度は64k/bpsでADSLなどと比べれば決して早くありませんが、ISDNサービス自体は日本全国何処でも利用出来、デジタル通信であるため外部からのノイズなどに影響されることもないため安定した通信が出来ます。

ISDNの特徴としては、まずデジタル信号による通信のため外部のノイズに影響を受けにくく、日本全国でサービスが受けられる点が上げられます。
また1つの加入線で2回線同時に使えるため、インターネットをしながら電話を使ったり、電話とFAXを同時に使うことが出来ます。

ISDNの利用にはターミナルアダプター(TA)が必要
厳密にはDSUとTAが必要なのですが、殆どのTAにはDSUが内臓されています。

ISDNの通信速度は64k/bps
ADSLなどと比べると決して早くはありませんが、アナログモデムによるダイヤルアップ接続のように環境によって通信速度が影響されることはありません。
64kを2回線同時に使うことにより128k/bpsでの通信も可能ですが、プロバイダーが対応している必要があり、また通信料金は2回線分必要になります。(フレッツ・ISDNでは128k通信は使えません)

ISDNの接続方法
DSUとは
加入者回線終端装置。デジタル回線に端末装置を接続するための装置。

TAとは
パソコンやモデム、アナログ電話、FAXなど、そのままではISDNに接続できない通信機器をISDNに接続するとき必要な信号変換機器。

(2009.10)
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インターネット~各種の接続方法・特徴②ADSL~

ADSLとはAsymmetric Disital Subsucriber Line の略で非対称デジタル加入線と訳されます。
Asymmetric(=非対称)とは、上りと下りの通信速度が非対称(=同じでない)という意味で ADSLの場合上り(アップロード)より下り(ダウンロード)の方が速くなっています(50Mbpsサービスの場合、上り5Mbps・下り50Mbps)。

Disital Subsucriber Line(=DSL:デジタル加入線)とは、通常の(銅線を使った)電話回線で従来使っていなかった帯域を使ってデータを伝送する技術の事で、広い帯域(=ブロードバンド)を使うことにより大量のデータを伝送出来るようになります。(道路の道幅が広くなるのに似ている)

DSL技術にはADSL以外にもSDSLやHDSLなどがあり、xDSLはこれらの総称として使われます。 日本ではNTTを含めた複数の業者がサービスを提供しており、各社の競争により高速化、低価格化が進んでいます。

ADSLの特徴としてはまず電話局からの距離により通信速度が影響を受ける事が上げられます。
これは距離が長くなると高周波帯域が伝達出来なくなるためで、局からの距離が2.5kmを超えると極端に通信速度が落ち、4km以上になるとサービスを受けられない場合があるので加入電話やISDNのように全ての人が利用出来るわけではありません。

ADSLには現在、「12Mタイプ」、「39Mタイプ」、「50Mタイプ」のサービスがありますが、これはあくまでも「最高速度」であり、実際の通信速度は距離等の環境により差があります。

接続にはADSLモデムを使う
ADSLモデムは各サービス会社でレンタルか買い取りかを選択します。

ISDNとの併用は出来ない
ADSLはアナログ回線を使ったサービスなので現在ISDN回線を利用している場合はアナログ回線に戻す必要があります。

ISDN回線が隣接されている場合、通信速度が落ちる
自らがISDNを利用していなくても通信経路上でISDNを利用している人がいればそれに干渉され影響を受ける。

ADSLの接続方法
スプリッタとは
スプリッタとはADSLなどの通信方式で用いられる装置で、信号を音声信号データ通信用信号に分離させるための装置のことで、音声通話で用いられる周波数と、音声通話では使用されない周波数帯域を分割することができます。

スプリッタ
従来(ISDN)は、データ通信は電話回線により直接モデムを接続するため、通話とデータ通信が回線を共有することができませんでしたが、ADSLの普及により、通話中でもデータ通信を行うことが可能となりました。
(参考:IT用語辞典バイナリ

モデムとは
モデムとは、アナログ信号をデジタル信号に、また、デジタル信号をアナログ信号変換する 機器のことです。
FTTHのONUやISDNのTAもそれにあたります。

変調機(modulator)と復調機(demodulator)の両方の機能を持つ機器であるため、その言葉を組み合わせてMODEM(モデム)と呼ばれています。

モデム機器     左:モデム(NTT東日本) 右:ルータ内蔵型モデム(NTT東日本)


(2009.10)
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インターネット~各種の接続方法・特徴③FTTH(光ファイバー)~

FTTHとはFiber To The Home の略で家庭で使う光ファイバーという意味です。

FTTHの特徴としてはADSLのように距離の影響を受けず、サービスエリア内であれば局から離れた場所でも利用出来、通信の安定性は抜群だということ、 通信速度は最大で100M/bpsと超高速で上りも下りも同速です。
また、最近では速度1Gbpsというサービスも提供されています。

欠点としては、既存の通信網(電話線、ケーブルテレビなど)を利用するわけではないため、提供されるエリアは都市部や需要のある地域などに限定されます。
また、各戸への光ケーブルの引き込みが考慮されていない設計が古いマンションでは、各戸への導入は困難です。(その場合は、LAN配線、VDSLやFWAなどを利用することとなります。)

マンションへ新たに導入する場合には、共用部分を利用しますし、どのサービス業者を使用するかという周知も必要になりますので、管理組合の総会決議(普通決議)が必要です。

マンションへの引き込み方法
マンションへ光ファイバーを引き込む場合、共用スペースに引き込んだ光ファイバーを各戸で共有する「共同利用方式」(Bフレッツでは「マンションタイプ」の場合)と、光ファイバーを各戸に直接引き込む「各戸直結方式」(Bフレッツでは「ハイパーファミリータイプ」、「ベーシックタイプ」、「ビジネスタイプ」の場合)の2つの方式があります。

さらに、「共同利用方式」には、マンション内の配線によって「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」の3つの方式があります。

VDSL方式の場合

ADSL配線方式
電柱→マンション内共用スペース
マンション内共用スペースとしては、電話用のMDF(主配線盤)が収納してあるMDF室を利用するケースが多いです。

マンション内共用スペース(MDF室)内の配線
屋外から引き込んだ光ファイバーをPT(Premises Termination)に接続し、PTから「集合型回線終端装置」まで光ファイバーで接続します。
回線終端装置から「VDSL集合装置」までをLANケーブルで接続します。回線終端装置とVDSL集合装置は防塵などのためラック内に設置します。

マンション内共用スペース→各戸
既存の電話回線用ケーブルを利用します。各戸には電話回線用モジュラージャックを経由して「VDSL宅内装置」を設置します。

各戸内の配線
VDSL室内装置とパソコン間はLANケーブルで接続します。

光配線方式の場合

光配線方式
電柱→マンション内共用スペース(MDF室)
マンション内共用スペースに光ファイバーを引き込み、PT(Premises Termination)に接続します。スプリッタ、パッチパネル等の設置後、PTからスプリッタ、パッチパネル等に光ファイバを接続します。

マンション内共用スペース(MDF室)→各戸
マンション内の配管を利用して、「スプリッタ」または「パッチパネル等」から各戸まで光ファイバーケーブルで接続します。
各戸には「回線終端装置」を設置します。

各戸内の配線
回線終端装置とパソコン間はLANケーブルで接続します。

NTT東日本 Bフレッツサービス内容より

Bフレッツサービス内容
参考:NTTBフレッツ導入工事について

宅内配線例

光宅内接続例
VDSLとは
ADSLと同様、既存の電話回線(メタル回線)を利用して高速な通信を実現する通信方式です。ADSLに比べて高い速度(下り最大100Mbps、上り40Mbps程度)での通信が可能ですが、非常に高い周波数の信号を使うため、数百メートル程度の距離でしか利用できません。 このため、現状は、マンションなどの集合住宅向けのFTTHで、構内配線用に利用されています。

LANとは
LANとは、"Local Area Network"の略語で、 日本語では「閉じられた世界のネットワーク」となります。
LANにすることにより、パソコン同士が繋がります。 プリンタを共用指定することにより、他のパソコンから印刷指示したものが、 別のパソコンに接続されているプリンタに出力できたり、フォルダやファイルを共用指定することにより、 別のパソコンにあるファイルを参照したり更新したりできます。
また、パソコン同士の間にルータを接続することにより、
同時に複数台のパソコンがインターネットに接続できるようにもなります。

ルータとは
ネットワーク上を流れるデータを他のネットワークに中継する機器です。
「インターネット」と「自宅や会社のLAN」という2つのネットワークを接続するための機器と考えるとよいでしょう。

(2009.10)
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ひかり配線方式のメリットは?【NTTBフレッツ】

「マンションタイプ(光配線方式)」等の提供について
 (NTT東日本HPより)
・平成18年12月より提供開始
・サービス概要
 マンション等の集合住宅の構内配線に光ファイバを用いたサービスです。
 光配線方式により、配線距離の長い物件において、従来の「VDSL方式」と比べて
 品質劣化が少ないため、より安定したサービスが提供できたり、「LAN配線方式」
 と比べてハブ等の中継装置が不要であるため、メンテナンスが容易になる、等の
 メリットがあります。

光配線方式のメリットは?
光配線方式では、MDF室(MDF装置が設置されている部屋)に「光スプリッター」を設置して、外部から引いた回線を分岐して、各部屋まで光ファイバーを敷設します。
VDSL方式のように、MDF装置自体は使用しません。

「光スプリッター」とは、言うなればTVの分配器のようなもので、電源は不要、非常に小型でMDF室の設置スペースに余裕がなくても敷設が可能です。

VDSL方式というのは、同じく電話線を使用するADSLの親戚のようなものもです。
ですから、本来高周波通信には不向きな電話線をムリヤリ使用する技術なので、基本的なメリットもデメリットも同じです。

ただVDSLはADSLよりさらに高い周波数帯を使用します。その為、通信速度自体はADSLより速くなりますが、反面ADSLより使用可能距離は短くなります。
(同じマンション内でもMDF室から部屋までの距離が遠い人は、それだけ実効速度が低下します。)

光ファイバーの場合は信号の低下が距離に影響を受けません(厳密に言えば影響はありますが、無視できる程度です)。
また、光ファイバーは周辺の電磁的な影響は受けませんので、周辺の電磁的な影響(落雷・高圧送電線・無線・動力モーター・電子レンジなど)により速度が低下するVDSL方式よりメリットがあります。

さらに、光配線方式は、VDSL集合装置やVDSL宅内装置が必要ありませんので、これらの機器による信号変換損失もありません。
「品質劣化が少ない」とは、これらのことを総合して言われているものです。

尚、VDSL方式や光配線方式(LAN方式)というのは、マンション内での各部屋への配線方式をいいます。
どの方式でも、1回線(大きなマンションでは複数線となりますが)の光ファイバーを同一マンション内の使用者で共有する、という点では同じです。
光配線方式でも「共有による速度低下」の可能性はVDSL方式と同じです。
(2009.10)
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ISPとは・グローバルIPアドレス・PPPoE接続とは

ISPとはInternet Service Providerの略で、ユーザーのコンピューターをインターネットへ接続するための手段をサービスとして提供する事業者のことです。
単に「プロバイダ」と略されることも多いです。

ISPの契約内容によって、インターネット接続に用いる回線(ADSL、光ファイバなど)や、接続するためのプロトコル(PPP、PPPoE等)があらかじめ定められます。

グローバルIPとは
インターネットや家庭内LANで使用する代表的な通信方法は「TCP/IP」と呼ばれるものです。IPアドレスは、TCP/IPで通信する時に個々の機器(ネットワークインターフェース)を識別するために使われます。

宛先情報にIPアドレスを使用する事で、目的の機器へデータを送ることができます。

IPアドレスとは
IPアドレスは、正確にはネットワークインターフェースごとに割り当てられます。
仮にイーサネットと無線LAN、2つのインターフェースを持つパソコンがあれば、それぞれに異なるIPアドレスを割り当てることができます。

ネットワークインターフェースを持つブロードバンドルータにも、IPアドレスを割り当てる必要があります。

ブロードバンドルータには、「WAN側」「LAN側」、2つのインターフェースがあります。2つのインターフェースには異なるIPアドレスを割り当てることになります。
WAN側はプロバイダのネットワーク(WAN)へ接続し、LAN側は家庭内のローカルなネットワーク(LAN)に接続することになります。
IPアドレスとはブロードバンドルータのWAN側インターフェースには、インターネット上で識別可能な「グローバルIPアドレス」を割り当てます。(一部のプロバイダでは割り当てられない場合もあります。)
一般的には、プロバイダへの接続、認証時に自動的に割り当てられます。

グローバルIPアドレスは、インターネット上で唯一のIPアドレスです。
このIPアドレスが割り当てられることで、インターネットに接続されている様々な機器と直接通信できるようになります。

参考:家庭内LANを構築しよう

PPPoEとは
PPPoEとは、PPPの機能をイーサネットを通して利用する為のプロトコル(※)です。
PPPはもともと、電話回線やISDN回線など、発呼を要する通信回線を介してネットワークに接続するために開発されましたが、これをLANなどの「つなぎっぱなし」の環境でも利用できるようにしたものがPPPoEです。
通常のPPPと異なり、固有の「MACアドレス」によって双方のコンピュータを識別しその間に仮想回線を展開しています。
※プロトコル:通信における仕様を定めたもの

インターネット
(2009.10)
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