マンションの騒音・防音・遮音 2



コンクリートと騒音

コンクリートの重さは、環境負荷に対する遮断、遮蔽の効果を発揮します。
たとえば、マンションでの騒音は、隣接する住戸や屋外で発生する空気伝播音、モーターなどの振動が地面から建物に伝わる固定伝播音、上の階から伝わる床衝撃音などが主なものです。

空気伝播音に対しては、コンクリートそのものに高い遮音性能があり、普通のコンクリートでは(比重2.3として)、厚さが15㎝以上あれば遮音効果が認められます。

固体伝播音に対しては、まず床や壁などのコンクリート構造体に振動が伝わるのを防ぐことが大切です。モーターなどの振動源の機器の支持部や配管の貫通部などに緩衝材を入れ、機器の運転の支障のない程度に柔軟に支持します。

床衝撃音に対しては、壁や梁で囲まれた床スラブ自体が振動しないようにします。
また、床の上で椅子を引いたりするときの床衝撃音の発生を防ぐには、毛足の長いカーペットを敷くなど、床スラブへの衝撃を和らげることが効果的です。

☞参考「図解コンクリートがわかる本」
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エアコンドレン管が原因で「ぽこぽこ」という異音が発生

気密性の高い住宅や高層マンションなどで、換気設備を使用したり、屋外が強風であったりする場合、ドレンホースから外気が進入し、異音(ポコポコ音)が発生する場合があります。
これは、エアコン内に発生した水滴を受けるための「ドレンパン」で、侵入した空気が泡を生じさせるためです。

エアコンから異音
エアコンドレン管に外気の進入を遮断する、「小型エアカットバルブ」を取り付けることにより異音は解消します。 (写真:小型エアカットバルブ設置例)

エアカットバルブ
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入居後にできる防音対策~本棚は絶好の遮音材~

遮音性能は、素材の質量によって決まります。
つまり「質量が重いものほど遮音性能は高い」のです。 たとえば、ブロンズやスチールの建具などは遮音に適しているわけです。
ですから、直接的な騒音をシャットするためには壁に鉄板を貼るのがいちばんよいわけですが、あまり現実的な対処法とも言えません。

入居後にできる防音対策として、かなり有効な手段があるのでご紹介しましょう。
もっとも身近な遮音材として「本棚」が挙げられます。本棚に書物をぎっしり詰め込んだ場合、本棚全体の質量はかなり重くなります。先に述べたように質量の重いものほど遮音性能が高いことから見ても、本棚を遮音材として使うことは理に適っています。パルプ(本)はそれだけでも音を吸収しますから、本棚は、遮音と吸音を同時に行うことができるわけです。

☞参考:マンション関連書籍「マンションはここを見て買え!」
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