総会とは

昨年、輪番で理事長になってしまったのだが、今年も総会は開催する必要があるのかな?
総会(区分所有法では集会)は、管理組合の最高意思決定機関であり、年1回招集することが区分所有法で定められています。そして、その総会では事務に関する報告・収支決算報告・予算の提出をしなければならない、とされています。
集会は、管理者が招集する。
2 管理者は少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
管理組合の総会は、総組合員で組織する。
2 総会は、通常総会及び臨時総会とし、区分所有法に定める集会とする。
3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度※開始以後2ケ月以内に招集しなければならない。
4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。
5 総会の議長は、理事長が務める。
※会計年度:標準管理規約第56条 管理組合の会計年度は、毎年○月○日から翌年○月○日までとする。
3 理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない。
理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。
理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない。



やれやれ、仕方ない、開催するか。



総会開催時期について標準管理規約では決算から2か月以内になっているけど、開催準備に時間がかかるので3か月以内に変更してね。
総会の招集について



では総会の準備をするか。さて、どうすればいいかな?
招集資料の配布時期は?
区分所有法では、総会を開く日の「1週間前」までに通知、その期間は規約で伸長できるとし、
標準管理規約では「2週間前」までに通知を発しなければならない、としています。
集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長※することができる。
※短縮することはできない
総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。



総会が5月30日なら、5月15日までに発送が必要ということだな!
通知すべき事項は?
通知には総会の日時・場所のほか「会議の目的たる事項」を記載しなくてはなりません。通常「議題」と呼ばれているものです。また、すべての議題について「議案の要領」(決議案の内容を要約したもの)を通知しなくてはなりません。
招集通知の配布先は?
管理組合に対し組合員が届出をしたあて先に送付します。
議決権について



隣の部屋の賃借人には総会資料が届いていないようだけど、大丈夫かなあ。
議決権は区分所有者の権利ですので、登記簿上の所有者が権利者となります。
賃借人に議決権はありませんので総会の案内は不要です。
区分所有法で議決権は部屋の床面積の割合によるとされており、規約で別段の定めをすることが認められていますので、多くの場合は、管理規約で共用部分の持分割合を切りのいい数字にして議決権を定める方法が取られています。
各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。
各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
総会の成立要件・進め方・決議要件
総会の成立要件



さて、いよいよ総会だ。
まずは総会がきちんと成立するか確かめておくか。
標準管理規約で、総会成立の要件は議決権総数の過半数を有する組合員の出席が必要とされています。
尚、委任状や議決権行使書の提出も出席者に含まれます。
総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、前条第1項に定める議決権総数の過半数※を有する組合員が出席しなければならない。
※令和8年改正:特別決議の決議要件について区分所有法が改正されたことを受けて半数以上から過半数に変更されました。
総会の進め方



まずは理事長の私から挨拶したほうがいいかな。
総会は以下のような手順で進めます
- 開会の辞(理事長からひとこと)
- 定足数の確認(総会が成立していることを報告)
- 議長選出(理事長)
- 議事録署名人選出(管理規約に基づき選任)
- 決議のルールについて説明
- 各議案の説明・決議



皆さん本日はお集まりいただきましてありがとうございます。
ではこれより第〇期通常総会を開催いたします。



管理会社のぴえんです。ヨロシクです。
わたしのほうから定足数の確認をします。
議長は理事長となります。
議案の説明はわたしの方で行います。議長は質疑応答が終わりましたら賛成の方は挙手にて決議を取ってください。
総会議事録には議長とAさん、Bさん署名押印お願いします。
では議事に入ります。
集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。
5 総会の議長は、理事長が務める。
集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならない。
総会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名しなければならない。
総会の決議要件



第3号議案は特別決議事項になっているね。
反対者が数名いるみたいだけど、大丈夫かな?
総会の決議には普通決議と特別決議があり、普通決議についての決議要件は、議決権総数の過半数の出席のうえ、出席組合員の議決権の過半数で決します。
普通決議
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、前条第1項に定める議決権総数の過半数を有する組合員が出席しなければならない。
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
特別決議
管理規約の変更や、共用部分の著しい変更については、特別決議を要します。
その他、区分所有法で特別決議が必要とされている事項は以下の通りです。
- 管理規約の設定・変更・廃止 (法31条1項)
- 共用部分の「重大な」変更(形状・効用の著しい変更) (法17条1項)
- 管理組合法人の設立・解散
- 管理者の選任・解任(規約に別段の定めがない場合)
- 専有部分の使用禁止請求 (法58条2項)
- 区分所有権の競売請求 (法59条2項)
- 占有者(賃借人など)の引渡し請求 (法60条2項)
- 大規模滅失時の建物復旧(建物価格の1/2超が滅失した場合)
特別決議の決議要件は、組合員総数と議決権総数の過半数を有する組合員が出席したうえで、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決します。
規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前2項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する。
一 規約の制定、変更又は廃止
二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)
三 前号の敷地及び共用部分等の変更に伴って必要となる専有部分の保存行為等
四 区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起
五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項
ITを用いた総会について



血迷ってまた理事長を引き受けてしまった!!俺は馬鹿か?
もう来年はITで総会開催したい。できる?
令和3年(2021年)に標準管理規約が改正され、「ITを活用した総会」等について、可能であることが明確化されました。
また、この改正は「ITを活用した総会」が可能とすることを明確化する観点から行っているものであるため、各管理組合の管理規約を変更しなくとも、ITを活用した総会・理事会の開催は可能、とされています。(国土交通省発行(概要))


具体的な開催方法はマンション管理業協会のガイドラインを参考にすることとされています。



ガイドラインからオンライン総会のパターンを紹介するよ。
オンライン総会は「リアル+オンライン」のパターンと、
「完全オンライン」の2パターンがあるんだ。





オンライン総会では区分所有者へのなりすまし対策を考える必要があるね。
そのほか、質疑応答の取扱い、通信状況の不備があった場合の対応もね。
また、もしリアル会場への出席を希望する人が1名でもいたらリアル+オンライン併用型を取る必要があるね。



逆にめんどい!もう普通に開催するよ~
書面決議・みなし書面決議について



あれれー?書面決議なんてあるじゃないか!
これはいい発見だ。
戸数が少ないマンションや、どう考えても反対者が出ないような議案がある場合には「総会なんて面倒だし、ささっと書面なんかで決議できないの?」と思われることもあるでしょう。
書面による決議について、区分所有法45条、標準管理規約第50条に定めがあります。第1項が書面決議、第2項はみなし書面決議といわれるものです。
この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。次項において同じ。)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
- 規約により総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができる。
- 規約により総会において決議すべきものとされた事項については、組合員全員の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなす。(※みなし書面決議)
標準管理規約「※電磁的方法が利用可能な場合」では第3項がみなし書面決議となります。
規約により総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る組合員の承諾については、あらかじめ、組合員に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
2 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。
一 電磁的方法のうち、送信者が使用するもの
二 ファイルへの記録の方式
3 規約により総会において決議すべきものとされた事項については、組合員の全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす。
書面決議
手続きが2段階になっています。
第1段階では書面決議を行うことについて皆の賛同を得ます。全員の一致が必要です。
第2段階で決議を行います。通常の総会の普通決議や特別決議の要件で行われます。
みなし書面決議
手続きは1段階です。
理事長が決議案を提示し、これに組合員全員が書面で同意するものです。



なんだ、結局全員の同意が必要になるのか!
余計難しいじゃないか!



冒頭で説明の通り、理事長は通常総会で「前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告」をしなければならないよ(標準管理規約第38条第3項)。報告を怠ると、理事長は20万円以下の過料(区分所有法第71条4項)。このためそもそも通常総会を書面決議で行うことはできないよ。



ぴえーん!
電磁的方法を用いた総会の議事録について
「電磁的方法」について標準管理規約第2条で以下のように定義されていますが、非常にわかりづらいです。
- 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する 方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの
- 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したもの(以下「電磁的記録」という。)を交付する方法
こちらをご参照ください。









コメント