マンションの建替え実務マニュアル②~建替え推進決議まで

マンションの建替え・再生 実務マニュアル
マンション再生事業の基本的な流れ
目次

準備段階

勉強会の発足など、建替え等について管理組合の中で検討を始めます。
一部の区分所有者の有志が勉強会を発足するパターンと、理事会が中心となり勉強会等を発足するパターンがあり、後者のケースが多くなっています。
理事会のみで勉強会を始めるケースのほか、理事会から、再生等に関心のある区分所有者へ呼びかけ、勉強会を設置することが考えられます。

一生勉強、一生青春!

検討段階

管理組合の集会(総会)において、再生等を検討する組織を設置すること、検討費用を管理組合予算から支出することについての議決が成立すると、管理組合として再生等についての正式検討を開始します。

なお、再生等に係る検討費用を修繕積立金から拠出する場合は、事前に管理規約に規定する修繕積立金の使途に「建物の建替え、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却又は取壊し(マンション再生等)に係る合意形成に必要となる事項の調査」が位置付けられているか否かの確認をし、この事項がないときは、管理規約の変更をしておく必要があります。
(マンション標準管理規約を参照)。

検討組織の設置に当たっては、管理組合理事会が参加者を募り、この中から組織のリーダーや主要役員が選出されます。
こうした活動を行うためには、専門的な情報や検討が必要となりますが、区分所有者が独自に専門的な情報を入手し検討を行うことには限界があります。
そこで、外部(又は区分所有者内部)の専門家の協力を得ながら検討を行う必要が生じます。専門家の選定に当たって、まずは依頼する業務内容や募集条件などを定めた上で候補者を抽出し、その中から最も相応しいと考える専門家を選びます。

マニュアルp21 検討段階の流れ

建替え推進決議

建替え推進決議等は、法で定められた手続きではなく、成立要件についても法的な定めはありません。
検討段階において、管理組合における検討組織を設置し、専門家の協力を得ながら再生等に向けた検討が進められることとなります。

再生等手法の比較検討をした上で、建替えが適切だと判断された場合に、本格的に建替えの検討を行っていくことを管理組合の集会に諮り、決議することを一般に「建替え推進決議」といいます。
また、同様に、様々な検討を行ったうえで、本格的に更新の検討を行っていくことを決議することを「建物更新推進決議」といいます。

区分所有法第64条の5(建物更新決議)

集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物の更新(建物の構造上主要な部分の効用の維持又は回復(通常有すべき効用の確保を含む。)のために共用部分の形状の変更をし、かつ、これに伴い全ての専有部分の形状、面積又は位置関係の変更をすることをいう。次項において同じ。)をする旨の決議(同項及び第三項において「建物更新決議」という。)をすることができる。
(以下略)

なお、建替え推進決議等については、管理規約において定めておくことも可能であり、その場合の決議要件については、普通決議(過半数)とすることも特別決議(4分の3以上等)とすることも可能であると考えられますが、管理規約に特段の定めがない場合には、法的には普通決議事項となります。しかしながら、建替え決議等の成立要件が出席区分所有者及びその議
決権の各5分の4以上であることに鑑みた場合、できるだけ多くの賛成を得ることを目指すべきです。

なお、地方公共団体では、コンサルタント等の専門家の派遣支援の要件として、4分の3以上の推進決議を条件としている場合もあります。

悩める組合員

決議されたからには推進あるのみ!

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