マンションの消防設備

マンションの消防設備
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消防設備点検とは

防火対象物について、消防法施行令第6条で「別表第一による」とし、別表第一(五)ロ には「寄宿舎、下宿又は共同住宅」とあり、共同住宅であるマンションはこれに含まれます。
防火対象物では、消防設備等の点検を定期的に行い、その結果を「消防設備等点検結果報告書」という書類にまとめて、消防長又は消防署長に報告しなければなりません。(消防法第17条の3の3)

点検方法・点検期間

機器点検(外観機能点検) 6ヶ月に1回
消防用設備等の種類に応じて、消防設備が適正に配置されているか、損傷が無いかを告示で定める基準に従い確認する事です。
簡単な操作により判別できる事項については、実際に感知器を作動させたり、非常ベルを鳴動させて点検します。
総合点検 1年に1回
当該消防用設備等の種類に応じて、起動させ告示で定める基準に従い確認することです。
消防署への提出 3年に1回
マンションは非特定防火対象物となり、3年に1回、消防署への報告書提出が必要です。

消防設備点検の内容

点検者
述べ床面積が1,000㎡以上のものは、消防設備士免状の交付を受けている者
又は消防設備点検資格者の資格を有する者が点検を行います。(消防法第17条3の3)
それ以外の場合の点検は、防火対象物の関係者が自ら点検できることとなっています。しかし、消防設備は専門の知識が無ければ適切な点検ができませんので、やはり有識者に任せた方が良いでしょう。

報告をしなかった場合の罰則
点検の結果を報告せず、又は虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金または拘留に処する、とされています。(消防法第44条の7の3)

防火管理者とは

消防法第8条では、一定規模以上の建物の所有者、管理者、占有者は、防火管理者を定め、防火管理上必要な業務を行わなければならないとしています。

マンションは「非特定防火対象物」というカテゴリーに所属し、収容人員が50人以上のマンションに防火管理者が必要です。(劇場や飲食店は「特定防火対象物」となります)

  • 収容人数50人未満 → 選任不要
  • 収容人数50人以上・延床面積500㎡未満 → 乙種防火管理者の選任が必要
  • 収容人数50人以上・延床面積500㎡以上 → 甲種防火管理者の選任が必要

防火管理者の主な責務

  • 消防計画書の作成
  • 消防訓練の実施
  • 消防用設備の点検整備
  • 火気の使用又は取扱いに関する監督
  • 避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
  • 収容人員の管理
  • その他防火管理上必要な業務

防火管理者を定めなかった場合の罰則
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(消防法42条)。

防火管理者講習
防火管理者になるには、防火管理者資格を取得し、消防署に届出をする必要があります。防火管理者資格には甲種と乙種があり、甲種は2日、乙種は1日講習を受ける必要があります。講習の最後に簡単なテストがあり、合格率はほぼ100%です。

統括防火管理者とは

複合用途の建物などで死傷者を伴う火災が相次いでいる、ということから、2014年(平成26年)4月1日に『統括防火管理者制度』が施行され、対象となるの建物のオーナーに『統括防火管理者の設置(選任)』が義務付けられました。

複数の管理権原者で構成される高層建築物、地下街、複合用途の建物等で、一体的な防火管理を行うことを目的として、建物全体についての防火管理業務を統括する統括防火管理者を選任します。

統括防火管理者が必要な防火対象物

次のいずれかに該当する防火対象物で、管理について権原が分かれているもの

  • 高層建築物(高さ31mを超える建築物)→だいたい11階以上
  • 避難困難施設が入っている防火対象物のうち地階を除く階数が3以上で、かつ、収容人員が10名以上のもの
  • 特定用途の防火対象物のうち、地階を除く階数が3以上で、かつ、収容人員が30名以上のもの
  • 非特定用途の複合用途の防火対象物のうち、地階を除く階数が5以上で、かつ、収容人員が50名以上のもの
  • 地下街のうち消防長または消防署長が指定するもの・準地下街       

※共同住宅は管理について権原が分かれているものとして扱われます。

※えええええ!!防火管理者だけでよくない?統括する必要ある?

   

特定防火対象物と非特定防火対象物

特定防火対象物 不特定多数の人が出入りする建物。例えば、飲食店やカラオケボックスなどの店舗や病院、ホテルなど。

非特定防火対象物 不特定多数の人が出入りしない建物。例えば、共同住宅・学校・工場・倉庫など。

ややこしい!!!

特定防火対象物は消防署への点検が年1回・収容人数30人以上で防火管理者の選任が必要
非特定防火対象物は消防署への点検が3年に1回・収容人数50人以上で防火管理者の選任が必要などの違いがあります。

消火器について

消火器は中に詰めた消火剤による冷却効果や窒息効果にて消火するもので、マンションでは建物の延床面積150㎡以上で各階ごとに歩行距離20m以下の間隔で設置することが義務付けられています。(設置基準は消防法令第10条で定められています。)
消火器の種類は「粉末消火器」「泡消火器」「強化液消火器」「二酸化炭素消火器」などがあり、火災の種類によって使い分けます。

  • A火災(普通火災)・・・建築物その他工作物(紙や木材など)の火災
  • B火災(油火災)・・・引火性の液体等(油やガソリン)の火災
  • C火災(電気火災)・・・通電(蓄電)中の電気設備等の火災

最も普及している消火器は全ての火災に適応した「ABC消火器」という粉末消火器で、蓄圧式消火器と加圧式消火器の2種類があり、現在は蓄圧式が主流となっております。

蓄圧式消火器

あらかじめ窒素ガスで内部が加圧されており、レバーを握ると弁が開き、圧力差で薬剤を即座に放射できます。圧力計で状態を一目で確認でき、レバーも軽い力で操作できるため、高齢者や子どもでも扱いやすくなっています。
容器が劣化すると徐々にガスが抜ける設計になっており、急激な破裂事故を防げるように設計されています。

ABC消火器 10型粉末 (蓄圧式粉末) 

加圧式消火器

内部にガスが充填されておらず、使用時に内蔵ボンベのガスを放出して加圧する方式です。
外観の点検しかできないため劣化が判断しづらく、容器損傷があると瞬間的な圧力で破裂するリスクがあります。
さらに、蓄圧式より大きな握力が必要で、子どもや高齢者にとっては操作が難しいというデメリットもあります。

消火器の耐用年数

耐用年数は10年です。 これまで消火器の耐用年数は8年とされておりましたが、法改正※に伴い、設計標準使用期限が10年に定められました。製造から10年を経過した消火器は交換か耐圧試験が必要となります(以降は3年ごと)。
※「消火器の技術上の規格を定める省令の一部を改正する省令」(平成22年総務省令第111号(2011年1月1日施行)

住宅用消火器の耐用年数

各住戸に消火器を設置した場合、共同部分の設置が免除されます。
その場合に設置する消火器は「住宅用消火器」と指定されています。 構造は使用時の反動が少ない蓄圧式となっていて、耐用年数は5年です。

消火器の使い方
消火器の使い方「ピン・ポン・パン」

誘導灯(←消防設備)と非常灯(←建築設備)について

誘導灯と非常灯の違い

緊急時に利用される設備として、誘導灯非常灯があります。
誘導灯は災害発生初期段階の避難誘導を目的としており、消防設備点検の対象となっています。バッテリーにより最低20分間点灯します。
非常灯はその後の救出作業時の照明確保を目的とした、建築基準法で規定された設備で、法定建築設備点検・特定建築物定期調査の検査対象となっています。耐熱性と、バッテリーによる30分間の照度確保が求められます。

誘導灯の種類と耐用年数

誘導灯には2種類あり、その場所が避難口であることを示す「避難口誘導灯」と、避難口の方向を示す「通路誘導灯」です。背景が緑のものが避難口誘導灯、白いものが通路誘導灯です。

避難口誘導灯と通路誘導灯

サイズが大きなものから、a級→b級→c級といった種類があります。

耐用年数について、パナソニックでは、器具本体の交換目安を8~10年、蓄電池の交換目安を4~6年としています。

器具の種類適正交換時期耐用の限度
電池内蔵型8~10年12年
電源別置型8~10年15年
(一社)日本照明工業会ガイド108-2003

防火設備点検について

防火設備点検は消防法の管轄と思いきや、建築基準法の管轄になります。
「法定建築設備点検・特定建築物定期調査・防火設備点検」のページをご参照ください!

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