管理組合の法人化

管理組合の法人化
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管理組合の法的性質

権利義務の主体となる資格を「権利能力」といい、これには「自然人」と「法人」があります。
法人になるには、営利を目的とした合同会社・株式会社、非営利を目的とした一般社団法人のように法律に基づいて登記ををする必要があります。
管理組合は法人ではありませんので、権利義務はすべて各区分所有者に帰属することになりますが、そうすると、管理委託解約を締結する際も全区分所有者それぞれが契約当事者となってしまい、極めて不便です。

そこで、以下の条件を満たす場合は、「権利能力なき社団」として、法人と同様の取り扱いを受けることが認められています(最判昭39.10.15、最判平成14.6.7)

  • 団体としての組織を備えている
  • 多数決の原理が行われている
  • 構成員の変更があっても団体は存続する
  • 代表の方法、総会の運営、財産の管理、その他団体としての主要な点が確定している

この要件を満たす場合、銀行口座の開設や民事訴訟の当事者となることなど、法人と同等の法的行為が可能となります。

民事訴訟法29条
法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。

しかし、不動産(土地・家屋)を購入する際は管理組合の法人化が原則です。
法人化していない管理組合でも購入は可能ですが、理事長個人名義または組合員全員の共有名義での登記が必要となります。

管理組合法人の設立

管理組合は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議(特別決議)により、法人格を取得することができます(区分所有法第47条1項)。

具体的な手続きとしては、①法人となる旨、②「管理組合法人」という文字を用いた法人としての名称、及び③事務所を定めたうえで上記の決議を行い、その事務所の所在地において、法人設立の登記をすることが必要です。

尚、土地を取得するために法人化した場合には、法人化の決議のほか、以下の特別決議も必要になります。
・不動産の購入に関する決議(共用部分の変更)
・議決権の持ち分割合の変更(規約の変更)

法人化すると登記が必要

管理組合法人の理事

管理組合法人は必ず「理事」を置かなければなりません(区分法49条1項)。
「理事」は「管理組合法人を代表」し、理事が数人あるときは各自管理組合法人を代表するのが原則ですが、「規約若しくは集会の決議によって、管理組合法人を代表すべき理事を定めること」ができます。実務上、多くの管理組合法人は、「規約」の定めに基づき、「法人を代表すべき理事」を「理事長」として選任しています。

理事は管理組合法人を代表するとともに、その業務を執行する権限と責任を有します(法49条3項)ので、「管理者」の存在は不要となり、管理組合法人において管理者が選任されることは無く、法人になる前に管理者がいた場合は、法人化によって自動的に退任したことになります。
区分所有法上は、非区分所有者でも「理事」になれますが、「規約」により理事の資格を限定(例えば区分所有者に限定)していればその定めに従うことになります。

「理事長」という肩書は規約に基づくものであって、法的な意味は「管理組合法人を代表すべき理事」です。
代表権を有する者を登記しなければなりませんが(組合等登記令2条4号)、その場合「理事」として登記されるに過ぎず、「理事長」として登記されるわけではありません。また、代表権の無い「理事」は登記されません。

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