マンション標準管理委託契約 6 (別表第1事務管理業務 1基幹事務 (3) 本マンション(専有部分を除く。以下同じ。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整~)

別表第1事務管理業務 1基幹事務 
(3) 本マンション(専有部分を除く。以下同じ。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整

  1. 乙は、甲の長期修繕計画の見直しのため、管理事務を実施する上で把握した本マンションの劣化等の状況に基づき、当該計画の修繕工事の内容、実施予定時期、工事の概算費用等に、改善の必要があると判断した場合には、書面をもって甲に助言する。
  2. 長期修繕計画案の作成業務及び建物・設備の劣化状況などを把握するための調査・診断を実施し、その結果に基づき行う当該計画の見直し業務を実施する場合は、本契約とは別個の契約とする。
  3. 乙は、甲が本マンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等。)を外注により乙以外の業者に行わせる場合の見積書の受理、発注補助、実施の確認を行う。

コメント
  1. 長期修繕計画案の作成及び見直しは、長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン、長期修繕計画作成ガイドラインコメント(平成20 年6月国土交通省公表)を参考にして作成することが望ましい。
  2. 長期修繕計画案の作成業務(長期修繕計画案の作成のための建物等劣化診断業務を含む。)以外にも、必要な年度に特別に行われ、業務内容の独立性が高いという業務の性格から、以下の業務をマンション管理業者に委託するときは、本契約とは別個の契約にすることが望ましい。
  1. 修繕工事の前提としての建物等劣化診断業務
  2. 大規模修繕工事実施設計及び工事監理業務
  3. マンション建替え支援業務
  1. 1(3)三の「本マンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検等)を外注により乙以外の業者に行わせる場合」とは、本契約以外に管理組合が自ら本マンションの維持又は修繕(日常の維持管理として管理費を充当して行われる修繕、保守点検、清掃等)を第三者に外注する場合をいう。
  2. 1(3)三の「大規模修繕」とは、建物の全体又は複数の部位について、修繕積立金を充当して行う計画的な修繕又は特別な事情により必要となる修繕等をいう。
  3. 1(3)三の「実施の確認」とは、別表第2 2(3)一に定める管理員が外注業務の完了の立会いにより確認できる内容のものをいう。
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別表第1 事務管理業務 2 基幹事務以外の事務管理業務

(1)理事会支援業務
  1. 組合員等の名簿の整備
    甲の組合員等異動届に基づき、組合員及び賃借人等の氏名、連絡先(緊急連絡先を含む。)を記載した名簿を整備する。
  2. 理事会の開催、運営支援
  1. 甲の理事会の開催日程等の調整
  2. 甲の役員に対する理事会招集通知及び連絡
  3. 甲の求めに応じた理事会議事に係る助言、資料の作成
  4. 理事会議事録案の作成
  1. 甲に代わって、甲が行うべき共用部分に係る損害保険契約、マンション内の駐車場等の使用契約、第三者との契約等に係る事務を行う。
(2)総会支援業務
  1. 甲の総会の開催日程等の調整
  2. 甲の次年度の事業計画案の素案の作成
  3. 総会会場の手配、招集通知及び議案書の配付
  4. 組合員の出欠の集計等
  5. 甲の求めに応じた総会議事に係る助言
  6. 総会議事録案の作成
(3)その他
  1. 各種点検、検査等に基づく助言等
    管理対象部分に係る各種の点検、検査等の結果を甲に報告すると共に、改善等の必要がある事項については、具体的な方策を甲に助言する。こ の報告及び助言は、書面をもって行う。
  2. 甲の各種検査等の報告、届出の補助<
  1. 甲に代わって、消防計画の届出、消防用設備等点検報告、特殊建築物定期調査又は建築設備定期検査の報告等に係る補助を行う。
  2. 甲の指示に基づく甲の口座の変更に必要な事務を行う。
  3. 諸官庁からの各種通知を、甲及び甲の組合員に通知する。
  1. 図書等の保管等<
  1. 乙は、本マンションに係る設計図書を、甲の事務所で保管する。
  2. 乙は、甲の管理規約の原本、総会議事録、総会議案書等を、甲の事務所で保管する。
  3. 乙は、解約等により本契約が終了した場合には、乙が保管する前2号の図書等、本表2(1)①で整備する組合員等の名簿及び出納事務のため乙が預っている甲の口座の通帳、印鑑等を遅滞なく、甲に引き渡す。

コメント
  1. 理事会支援業務は、理事会の円滑な運営を支援するものであるが、理事会の運営主体があくまで管理組合であることに留意する。
  2. 理事会及び総会の議事録は、管理組合の活動の重要な資料となることを踏まえ、マンション管理業者に議事録の案の作成を委託する場合は、その内容の適正さについて管理組合がチェックする等、十分留意する。
    また、マンション管理業者は、管理組合がチェックする上で十分な余裕をもって議事録の案を提出する。
  3. 大規模修繕、規約改正等、理事会が設置する各種専門委員会の運営支援業務を実施する場合は、その業務内容、費用負担について、別途、管理組合とマンション管理業者が協議して定めるものとする。
  4. 総会等の決議や議事録の作成を電磁的方法により行う場合には、事務処理の方法等について具体的に記述することが望ましい。
  5. 2(3)③一の設計図書とは、適正化法施行規則第102 条に規定する設計図書その他の管理組合が宅地建物取引業者から承継した図書及び管理組合が実施したマンションの修繕等に関する図書であって管理組合から管理を依頼された図書をいう。
  6. 管理組合の管理者は、建物の区分所有等に関する法律(昭和37 年法律第69 号)(以下「区分所有法」という。)第33 条及び第42 条第3項により、管理規約及び総会議事録の保管、利害関係人に対する閲覧を義務付けられている。マンション管理業者は、管理者の依頼の下にこれらの図書の保管業務を行うものである。
  7. マンション分譲業者はマンションの分譲に際し、あらかじめ規約共用部分等について区分所有法第32 条に基づき、単独で公正証書により規約設定することができる。マンションの管理規約は、本来、この公正証書規約と一覧性を有するよう作成すべきであるが、マンションによっては、公正証書規約とそれ以外の管理規約の両方の保管が必要な場合も想定される。
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別表第2 管理員業務

1.業務実施の態様 (1)業務実施態様
通勤方式
(2) 勤務日・勤務時間
勤務日・勤務時間は、毎週◯曜日から◯曜日の午前◯時◯分から午後◯時◯分までとする。ただし緊急事態の発生したときその他やむを得ない場合においては、当該時間以外に適宜執務するものとする。
(3) 休 日
休日は、次の各号に掲げるとおりとする。
  1. 日曜日、祝日及び国が定める休日
  2. 忌引、夏期休暇◯日、年末年始休暇(◯月◯日~◯月◯日)、その他休暇◯日。この場合、乙はあらかじめ甲にその旨を届け出るものとする。
(4) 執務場所
執務場所は、管理事務室とする。
2 業務の区分及び業務内容
(1) 受付等の業務
  1. 甲が定める各種使用申込の受理及び報告
  2. 甲が定める組合員等異動届出書の受理及び報告
  3. 宅配物の預かり、引渡し
  4. 利害関係人に対する管理規約等の閲覧
  5. 共用部分の鍵の管理及び貸出し
  6. 管理用備品の在庫管理
  7. 引越業者等に対する指示
(2) 点検業務
  1. 建物、諸設備及び諸施設の外観目視点検
  2. 照明の点灯及び消灯並びに管球類等の点検、交換(高所等危険箇所は除く。)
  3. 諸設備の運転及び作動状況の点検並びにその記録
  4. 無断駐車等の確認
(3) 立会業務
  1. 外注業者の業務の着手、実施の立会い
  2. ゴミ搬出時の際の立会い
  3. 災害、事故等の処理の立会い
(4) 報告連絡業務
  1. 甲の文書の配付又は掲示
  2. 各種届出、点検結果、立会結果等の報告
  3. 災害、事故等発生時の連絡、報告
コメント
  1. 別表第2は、管理員の勤務形態で最も多い「管理員通勤方式」の勤務・業務態様を規定しているので、これ以外の方式(住込方式又は巡回方式等)による場合は、適宜本表を修正するものとする。
  2. 管理員の休憩時間については、勤務形態に応じて適宜記載するものとする。
  3. 夏期休暇、年末年始休暇の対象日、その他休暇の日数等について、あらかじめ特定できる場合は、事前に書面で提示する等、できるだけ具体的に明示することが望ましい。
  4. 宅配物の預かり、引渡しについては、宅配ボックス等設備の設置状況、管理員の勤務時間等により、実質的に不要又は実施困難な場合も想定され、その場合は適宜修正を行う。
  5. 管理事務実施の必要上、管理員の勤務日以外の日に、外注業者が業務を行う場合、管理員による業務の着手、実施の立会いが困難な場合が想定される。このような場合、管理組合への連絡、事後の確認等により、適切な対応を行うことが望ましい。
  6. (3)一の「実施の立会い」とは、終業又は業務の完了確認等を行うものであり、外注業者の業務中、常に立会うことを意味しない。また、工事の完了確認を行う場合は、工事が設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認するものではなく、外観目視等によりその完了を確認することや外注業者から業務終了の報告を受けることをいう。
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別表第3 清掃業務

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別表第3 コメント
  1. 本仕様書は、予想される清掃業務のほとんどを網羅しているが、実際の契約書作成に当たっては、契約の実態に合わせて適宜追加・修正・削除を行う。なお、管理員が清掃業務を兼務する場合は、その旨を明記する。
  2. 作業回数の記入に当たっては、当該欄に「1回/日」「3回/週」「1回/月」等の例により記入する。
  3. 本仕様書でいう日常清掃とは床の掃き拭きやちりはらい等を中心とした清掃をいい、特別清掃とは定期に床の洗浄やワックス仕上げ等を行うことをいい、いずれも、清掃員が作業を行うこととしている。
  4. 植栽の散水・除草は、季節や植木の状態に応じて適宜実施する方が望ましい場合もある。また、本業務は日常清掃業務として行うものであり、植栽の規模が大きい場合や施肥、剪定、害虫駆除等の業務を行う場合は、植栽管理業務として本契約に追加するか別個の契約とすることが望ましい。
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別表第4 建物・設備管理業務

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別表第4コメント
  1. 本仕様書は、予期される建物・設備管理業務のほとんどを網羅しているが、実際の契約書作成に当たっては、当該マンションの設備の状況や本契約の契約期間内に実施される業務かどうかに応じて、適宜追加・修正・削除を行う。
  2. エレベーター設備の保守管理方式については、一般的にフルメンテナンス方式とPOG方式の2種類があるため、両方式のいずれかを選択する。
  1. イ.フルメンテナンス方式
  1. 部品の予備品、修繕計画、故障時の原因に対する処理、官庁検査の手続及び対策等については、メンテナンス会社が実施又は代行する。
  2. エレベーターの計画修繕(ただし意匠・建築面は除く)に関してはメンテナンス会社が負担実施する。
  1. ロ.POG方式(PARTS=消耗部品、OIL=給油用オイル、GREASE=グリス等の略)
  1. 点検保守を主体としたメンテナンス条件であり、定められた消耗部品、給油等はメンテナンス会社が負担する。
  2. ⅰ以外の修繕費用は管理組合が負担する。
    具体の契約に当たっては、両方式の特性、金額等を明確化した上で、契約することが望ましい。
  1. 1(2)の建築基準法第12 条第1項の規定による特殊建築物定期調査の報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね6月から3年までの間隔において特定行政庁が定める時期と規定されている。
  2. 建築基準法第12 条第3項の規定による1(3)の特殊建築物の建築設備定期検査及び2の昇降機定期検査の報告の時期は、建築設備及び昇降機の種類、用途、構造等に応じて、おおむね6月から1年まで(ただし、一部の検査項目については1年から3年まで)の間隔において特定行政庁が定める時期と規定されている。
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